船屋形茶室(ふなやかたちゃしつ)
昭和44年(1969年)香川県指定有形文化財



江戸時代末期に建造した旧多度津藩藩主(丸亀藩京極家の分家)の御座船(ござぶね)の二階建ての上部構造(船屋形)と伝えられる。
船の由来については定かでないが、元治元年(1864)につくられた六十二艘立(そうだて)の「順風丸」との説や三十五反帆(たんぽ)の御座船「日吉丸」とみる説もあり、確定していない。
江戸期、参勤交代で瀬戸内海を渡る西国大名たちが用いた御座船は、軍船としての役割を失った後、豪華な装飾や絵画で飾られた御殿のような船となっていたという。



廃藩置県後に西光寺境内に移し一部改造を加えながら、茶室として利用されてきたが、昭和57年(1982年)の移築解体修理によって創建当時の姿に復元された。
間取りは船屋形の特徴を良く留めており、一階は三畳の二間、二階は三畳、二畳、一畳の三間で、間仕切りの襖を外すと六畳の広間となる。
床、違棚、天井などは創建当時の姿を残す。長押(なげし)等の各所には装飾金具が取り付き、その一部に多度津藩の紋所である隅立四ツ目結が刻まれる。
この種の建造物は極めて少なく、この船屋形茶室のほかに旧姫路藩の川御座船(神戸・相楽園内)と旧熊本藩細川家の船屋形(熊本博物館)の計3例が確認されているのみで、残る二例は国の重要文化財に指定されているという点でも、西光寺の船屋形茶室は貴重な建造物とされる。
普段は木造の蔵造り風の覆屋の中に保管され非公開だが、法要時など年に数回、雨戸を外して公開される。







